吉浦眞琴「口先の指差し眼差しの先」

吉浦眞琴

口先の指差し眼差しの先

2025.01.10 - 2025.01.18
11:00 -19:00 (Closes at 17:00 on Saturdays)
*Closed on Sunday & Monday

ABOUT

ART FOR THOUGHTでは2025年1月10日より18日まで、吉浦眞琴「口先の指差し眼差しの先」展を開催します。

ドライポイントを用いたやわらかな輪郭表現と、幻想的な色彩やモチーフで、ナラティブのにじむ版画作品を制作する吉浦。

関西で活動してきた彼女の、東京での初めての個展をぜひご高覧ください。

ARTIST'S STATEMENT

私は、透明化された存在に対して、銅版画のドライポイントという手法で向き合っている。

その存在は、どこかで忘れ去られ、無視され、見えないものとして、ただひっそりと存在している。だが、私はそのようなものたちの中に、何かしらの意味を見いださずにはいられない。

銅版画のドライポイントで、ただひたすらにその痕跡を掘り起こしているのだ。ものたちは、確かにそこにあるのに、誰も触れようとしない。無視されて、見えなくされて、存在が薄れていく。それに対して、私はただ黙って向き合う。それがどれだけ無意味で無駄に思えても、無理にでも声を聞きたくなる。

ものは語らない、だからこそ私はそれらに何かを託す。言葉にならない思いを、手のひらを通して伝えるように、ドライポイントの鋭い線でその存在に肉を与えていく。その無言の沈黙が、時に言葉よりも強く、心に突き刺さることがある。何も言わず、ただ存在しているその姿に、私は少しでも触れたいと思うのだ。

私の制作は、そうした無意識の積み重ねでできている。たとえ誰にも理解されなくても、その無言の叫びに私は耳を傾け版に刻みつける。

 

MAKOTO YOSHIURA BIOGRAPHY

1994年 神奈川生まれ

2017年 京都造形芸術大学美術工芸学科油画/版画コース卒業

2019年 京都市立芸術大学 大学院美術研究科絵画専攻版画修了

2017-18年 国立高等装飾美術学校(ENSAD)/フランス 交換留学

SOLO EXHIBITIONS

2019年 「砂漠の洪水」(大阪/芝田町画廊)

2021年 「しちひきでもはち」(京都/ギャラリー恵風)

2023年 「雷を捕まえる」 (大阪/芝田町画廊)

2024年 「偶然の兆し」(京都/堀川新文化ビルヂングneutral)

SELECTED GROUP EXHIBITIONS

2021年「中林忠良-版画の系譜と展開」(京都/ギャラリー恵風)

2021年「久保智沙衣・吉浦眞琴 銅版画2人展」(大阪/芝田町画廊)

2023年「Infinitely expanding printmaking expression(無限に広がる版画表現)」(大阪/芝田町画廊)

2024年「京都府新鋭選抜展Kyoto Art for Tomorrow 2024」(京都/京都文化博物館)

2024年「ARTIST’S  FAIR KYOTO 2024」(京都/京都国立博物館明治古都館)

2024年 「Art Rhizome KYOTO2024」 (京都/関西日仏学館)

MAJOR AWARDS

2018年 第43回全国大学版画展 町田市立国際版画美術館収蔵賞

2019年 2018年度京都市立芸術大学制作展 大学院市長賞

2022年 第20回南島原市セミナリヨ現代版画展 大賞

2023年 Idemitsu Art Award 2023 竹中美幸審査員賞

PUBLIC COLLECTIONS

町田市立国際版画美術館

京都市立芸術大学 資料館

南島原市アートビレッジ・シラキノ

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